経済イベント
ISM製造業景気指数
米ISM製造業景気指数、2月は47.8 16カ月連続で50割れ
[ワシントン 1日 ロイター] – 米供給管理協会(ISM)が1日発表した2月の製造業景気指数は47.8となり、1月の49.1から悪化した。50割れは16カ月連続となり、2000年8月─02年1月以来の長さとなった。2月はロイターがまとめた市場予想の49.5を下回った。 ただ、顧客在庫の3カ月連続での減少が示され、将来の新規受注や生産の伸びにプラスになるという。ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、シャノン・グレイン氏は「製造業に明るい兆しが見えている」と述べた。 ISMによると、同指数が長期的に42.5を下回る状況は経済全体の縮小を意味する。従来は48.7を節目としていたのを改定した。 金利上昇による借り入れコストの増加は商品需要を冷え込ませ、企業の設備投資を圧迫している。ISMなどの景気指数は、米経済の10.3%を占める製造業に関して過度に悲惨なイメージを描いている。 22年3月以降に政策金利を計525ベーシスポイント(bp)引き上げ、現在は5.25―5.50%に設定している米連邦準備理事会(FRB)は年内に利下げを始めると予想されている。 先行指標となる新規受注指数は今年2月に49.2となり、1月の52.5から悪化。 2月の生産指数も48.4と、1月の50.4から悪化した。 一方、2月の供給業者の納入を示す指数は50.1と、1月の49.1から上昇。50を上回ると工場への納品が遅いことを示す。 ISM製造業景況調査委員会のティモシー・フィオーレ委員長は「2月は供給業者の対応が遅くなっているようだ。これは一部の供給業者が対応に苦戦していることを意味する」と述べた。 価格指数は1月の52.9から52.5へ低下し、モノのインフレが緩和したことを示した。 キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ハンター副チーフエコノミストは「米連邦準備理事会(FRB)にとってより重要なニュースは、財のインフレ率の大幅な回復が見込まれる兆候がまだ見られないことだ」と述べた。 雇用指数は45.9と1月の47.1から低下し昨年7月以来の低水準となった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/97601f77c5ded2db7870f6e5345db645cdb9db89
雇用統計
米2月雇用統計、FRBは利下げ急がずとの見方裏付け
[8日 ロイター] – 米労働省が発表した2月の雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回ったものの、労働市場全体が冷え込む兆しが示され、利下げ開始時期を検討している米連邦準備理事会(FRB)が当面静観するとの見方が裏付けられた。 2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増加と、市場予想(20万人増)を上回った。 一方で、12・1月分が下方改定され、雇用の伸びが引き続き鈍化していることを示唆。失業率は3.9%と過去2年間で最も高い水準に悪化した。 また、賃金の伸びは引き続き緩やかに鈍化。2月は前年同月比4.3%上昇と1月の4.4%上昇から低下した。FRB当局者は賃金の伸びが依然として2%のインフレ目標と一致する水準ではないと見ているものの、正しい方向に進んでいるとしている。 エバーコアISIのクリシュナ・グハ副会長は、今回の雇用統計では労働市場は依然好調だが緩やかに緩和していることが示され、「実体経済の状況がインフレ率2%に向けて持続的に収束する状況とおおむね一致しており、6月までの利下げが適切であるという安心感をFRBに与える」と述べた。 フェデラルファンド(FF)金利先物が織り込む、6月半ばまでに利下げが開始される確率は80%。雇用統計発表前は75%だった。 4月30日─5月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定される確率は25%強と雇用統計発表前からほぼ変わらずだった。 市場では年末までに合計1%ポイントの利下げが実施されるとの見方が強まった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/266ca371269e5eb863a6a9e576f2cb49fe0272c0
ミシガン大学消費者信頼感指数
【市場反応】米3月ミシガン大消費者信頼感指数速報、予想下回り利下げ先送り観測後退でドル買い一服
米3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は76.5と、2月76.9から上昇予想に反し低下し、年初来で最低となった。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ期待動向を判断するうえで注視している同指数の1年期待インフレ率速報値は3.0%と、上昇予想に反し2月と同水準にとどまった。また、5-10年期待インフレ率速報値は2.9%と、予想通り、2月と同水準を維持した。
予想を下回った結果を受け、利下げ先送り観測も後退し米国債相場は下げ止まり。10年債利回りは4.318%へ上昇後、4.306%へ低下した。ドル買いも後退。ドル・円は148円97銭の高値から148円85銭へ反落した。ユーロ・ドルは1.0885ドルから1.0893ドルへ強含み推移。ポンド・ドルは1.2740ドルから1.2754ドルまで上昇した。
【経済指標】
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/4bf686274b9983688cf9793c252ef61790cf0551
・米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値:76.5(予想:77.1、2月:76.9)
・米・3月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値:3.0%(予想:3.1%、2月:3.0%)
・米・3月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値:2.9%(予想:2.9%、2月:2.9%)
消費者物価指数(CPI
【指標】2月米CPI(前月比) +0.4%、予想 +0.4%ほか
2月米CPI(前年比) +3.2%、予想 +3.1%
2月米CPIエネルギーと食品を除くコア指数(前月比) +0.4%、予想 +0.3%
2月米CPIエネルギーと食品を除くコア指数(前年比) +3.8%、予想 +3.7%※タイトルおよび上記に表示した内容が下記の経済指標の結果です。
2月米消費者物価指数(CPI、前月比)〔予想 +0.4%〕 (前回発表値 +0.3%)
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/090b7b5c938e77032e21a6389c9caecada4886b9
2月米CPI(前年比)〔予想 +3.1%〕 (前回発表値 +3.1%)
2月米CPIエネルギーと食品を除くコア指数(前月比)〔予想 +0.3%〕 (前回発表値 +0.4%)
2月米CPIエネルギーと食品を除くコア指数(前年比)〔予想 +3.7%〕 (前回発表値 +3.9%)
FOMC
FRB金利据え置き、年内3回利下げ予想維持 「インフレ全体像変わらず」
[ワシントン 20日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は19─20日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。据え置きは5会合連続で、全会一致で決定された。
また、同時に発表した金利・経済見通しでは、中央値で年内少なくとも3回の利下げ予想が維持された。
パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、年初以降の指標がインフレの「高止まり」を示したものの、「全体的なストーリーは変わっていない」と強調。「インフレは時折、一様でない道を進みつつも2%に向けて徐々に鈍化していく」と語った。
ただ、これらデータはFRBがインフレとの戦いに勝利したという自信を高めるものでもないとも述べた。
利下げ時期の決定は今後入手される一段のデータ次第とし、「慎重に進めたい」という考えを改めて示した。
FOMC後に発表された声明も、インフレが持続的に目標の2%に向かっているという確信が強まるまで、利下げは想定していないと再表明した。
声明はさらに「経済活動は堅調なペースで拡大している。雇用の伸びは引き続き力強く、失業率は低水準にとどまっている」とした。
パウエル議長は労働市場の状況については「良好な状態」とし、コロナ禍前の「2019年の状況に戻りつある」という認識を示した。
金利・経済見通しでは、FRB当局者19人中10人が引き続き年内に少なくとも計0.75%ポイントの利下げを想定していることが示された。昨年12月時点に示された見通しでは、11人が2024年末までに計3回の0.25%ポイント利下げを予想していた。
25年末の政策金利の予測中央値は3.9%と、来年には0.25%ポイントの利下げが3回実施されることを示した。政策金利の長期見通しの中央値は2.6%。前回は2.5%だった。
24年の経済成長率見通しは2.1%。12月時は1.4%だった。25年も前回見通しの1.8%から2.0%に修正された。
FRBが重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の見通しは24年末で2.4%、コアPCE価格指数の見通しは24年末で2.6%。12月時点の見通しでは両指数とも2.4%だった。
ペッパーストーンの市場アナリスト、マイケル・ブラウン氏は「FOMCは引き続きインフレが目標に回帰するという一段の確信を得たい考えで、金融上の問題が生じない限り、5月は利下げの『ライブ』会合とはならないだろう」と述べた。
会合後、投資家の間では、最初の利下げは6月に実施されるという観測が強まった。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/fdf568111766e196474172d4c71314f9092bd17b
米FOMC声明全文
[20日 ロイター] – 最近の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大していることを示している。雇用の伸びは引き続き力強く、失業率は依然低い。インフレ率はこの1年で緩和したが、依然高止まりしている。
委員会は雇用最大化と長期的な2%のインフレ率の達成を目指す。委員会は、雇用とインフレ率の目標達成に対するリスクのバランスが改善しつつあると判断する。経済の見通しは不確実で、委員会はインフレのリスクを引き続き大いに注視している。
目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利の目標誘導レンジを5.25─5.50%に維持することを決定した。FF金利の目標誘導レンジのあらゆる調整を検討するに当たり、委員会は今後もたらされるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを慎重に評価する。委員会は、インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、目標誘導レンジの引き下げが適切になるとは予想していない。さらに、以前発表された計画で説明されている通り、委員会は保有する米国債およびエージェンシーローン担保証券の削減を続ける。委員会は、インフレ率を2%の目標に戻すことに強く取り組む。
金融政策の適切な姿勢を評価するに当たり、委員会は今後もたらされる経済見通しに関する情報の意味を引き続き監視する。もしも委員会の目標の達成を妨げる可能性があるリスクが生じた場合、委員会は金融政策の姿勢を適切に調整する準備がある。委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、金融と世界の動向を含む幅広い情報を考慮する。
政策決定の投票で賛成したのは、ジェローム・パウエル委員長、ジョン・ウィリアムズ副委員長、トーマス・バーキン、マイケル・バー、ラファエル・ボスティック、ミシェル・ボウマン、リサ・クック、メアリー・デイリー、フィリップ・ジェファーソン、アドリアナ・クーグラー、ロレッタ・メスター、クリストファー・ウォラーの各委員。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/32b0255c3058900cae97827300e594ef2959cf61
日銀金融政策決定会合
金融政策の枠組みの見直しについて 日銀
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、賃金と物価の好循環を確認し、先行き、「展望レポート」の見通し期間終盤にかけて、2%の「物価安定の目標」が持続的安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した。
これまでの「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みおよびマイナス金利政策は、その役割を果たしたと考えている。日本銀行は、引き続き2%の「物安定の目標」のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、短期金利の操作を主たる政策手段として、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営する。現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている。
以上を踏まえ、金融市場調節方針等については、以下のとおりとすることを決定した。
(1)金融市場調節方針(賛成7反対2)
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0-0.1%程度で推移するよう促す。
(2)長期国債の買入れ(賛成8反対1)
これまでと概ね同程度の金額で長期国債の買入れを継続する。長期金利が急激に上昇する場合には、毎月の買入れ予定額にかかわらず、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ共通担保資金供給オペなどを実施する。(3)長期国債以外の資産の買入れ(全員一致)
1-ETFおよびJ-REITについて、新規の買入れを終了する。
2-CP等および社債等について、買入れ額を段階的に減額し、1年後をめどに買入れを終了する。(4)貸出増加支援資金供給等の新規実行分の扱い(全員一致)
貸出増加支援資金供給、被災地金融機関支援オペ、気候変動対応オペについては、貸付利率を0.1%、貸付期間を1年として実施する。貸出増加支援資金供給については、貸出増加額と同額までの資金供給が受けられる仕組みとする。
2.わが国の景気は、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復している。
賃金を巡る環境を整理すると、企業収益は改善を続けており、労働需給は引き締まっている。こうしたもと、本年の春季労使交渉では、現時点の結果をみると、昨年に続きしっかりとした賃上げが実現する可能性は高く、本支店における企業からのヒアリング情報でも、幅広い企業で賃上げの動きが続いていることが窺われる。物価面では、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているが、これまでの緩やかな賃金上昇も受けて、サービス価格の緩やかな上昇が続いている。このように、最近のデータやヒアリング情報からは、賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、先行き、見通し期間終盤にかけて、「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断した。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/f80f0811da6a995b9be1f69422ed28d597c673e4
個人消費支出(PCE)
2月の米PCE物価、2.5%上昇=5カ月ぶり伸び拡大☆差替
【ワシントン時事】米商務省が29日発表した2月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.5%上昇した。市場予想と同じで、前月(2.4%上昇)を上回った。伸びが加速するのは5カ月ぶり。前月比では鈍化したものの、インフレ低下のペースは鈍い。
価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2.8%上昇。前月(2.9%上昇=改定)からやや減速した。
項目別では、サービス価格が3.8%上昇と、全体の伸びを引っ張った。労働市場が堅調さを保ち、賃金が上昇していることが背景だ。モノの価格は0.2%低下。自動車など耐久財が下落した。エネルギー関連もマイナスだった。
連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ率が目標の2%に向かって低下する中で、利下げ時期を探っている。ただ、根強いインフレ圧力も警戒しており、経済指標を慎重に見極めて判断する方針だ。
一方、2月の個人消費は前月比0.8%増と、伸び率は1月(0.2%)から大きく拡大した。◇米PCE物価指数
1月 2月
PCE 前月比 0.4 0.3
前年同月比 2.4 2.5
PCEコア 前月比 0.5 0.3
前年同月比 2.9 2.8個人消費・所得
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/6f5005287ae9b21ac1fb7dfe142f86d84e3963dc
個人所得 前月比 1.0 0.3
可処分所得 前月比 0.4 0.2
個人消費 前月比 0.2 0.8
モノ 前月比 ▲1.5 0.5
耐久財 前月比 ▲2.5 1.4
非耐久財 前月比 ▲0.9 0.1
サービス 前月比 1.0 0.9
貯蓄率 4.1 3.6
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少
(了)〈USDC〉〈STAT〉
注目の決算
配当
【決算速報】極東証券、未定だった今期配当は80円増配
極東証券 <8706> [東証P] が3月13日昼(12:00)に配当修正を発表。従来未定としていた24年3月期の年間配当は110円(前期は30円)実施する方針とした。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/c64081bc859fb256d85765ef08eec40db05fd44a
極東証券 <8706> に大量の買い注文が入り、後場にカイ気配を切り上げている。13日正午に配当方針の変更と期末配当の予定について開示した。新たな配当方針では連結配当性向基準をこれまでの50%から70%に引き上げる。これに伴い、24年3月期の期末配当金は80円を予定する。中間配当とあわせた年間配当は110円(前期比80円増配)となる見込みで、ポジティブ・サプライズと受け止められたようだ。PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回るなか、収益性向上策を進めるとともに、株主還元を充実させる。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/b99d0b1c87c209d13667ae46e104c43dd91b02a5
主なニュース
焦点:昨年上回る賃上げ実現、日銀正常化後押し 中小への波及が重要 (24/3/13)
[東京 13日 ロイター] – 昨年を上回る賃上げの実現が視野に入ってきたことは、金融政策の正常化を模索する日銀の後押しとなりそうだ。市場では、日銀が3月か4月の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除するとの見方が広がっているが、政府高官や与党幹部から特段の異論は出ていない。岸田政権内からは、賃上げの動きが中小企業に波及していくことが重要との声が上がっている。 <好材料揃う> 今年の春季労使交渉(春闘)では、昨年を上回る労組の賃上げ要求に対して満額回答する企業が相次いだ。労働経済に詳しい日本総研の山田久客員研究員は、ここまでの回答状況から、今年はベースアップ(ベア)と定期昇給を合わせた平均賃上げ率が「4%を上回る可能性がある」との見方を示す。 仮にこの数字が実現すれば、30年ぶりの高水準を記録した昨年の3.58%を上回るとともに、1992年(4.97%)以来の水準となる。このほど発表された23年10─12月期の法人企業統計で好調な企業業績が示されたことや、人手不足の状況が続くことなどを踏まえれば、今年の賃上げについて力強い材料は揃いつつある。 日銀は賃金上昇を伴うかたちで2%の物価安定目標が持続的・安定的に実現する確度が十分高まれば金融政策の変更を検討していくとしており、早ければ来週18─19日の決定会合でマイナス金利の解除を含めた政策変更を議論する可能性がある。 経団連の十倉雅和会長も11日の記者会見で、今年の春闘について「昨年以上の賃上げのモメンタムを感じる」と述べ、「日銀がそう遠くない将来に金融正常化にかじを切る可能性が高い」との見方を示した。 専門家からも「支持率が低迷している岸田政権とって、春闘の高い賃上げ率はまたとないアピールとなる。植田和男総裁の考え次第だが、日銀がその熱気を借りて3月か4月に金融政策の正常化に動く可能性が高い」(第一生命経済研究所の首席エコノミスト、熊野英生氏)との指摘が出ている。 <デフレ脱却宣言は慎重> 日銀は市場にショックが起きないようにするため、年明け以降、近い将来の政策変更をにじませる情報発信を進めてきたが、政権幹部らは「日銀が判断すること」として、表立って反対姿勢を示していない。むしろ「岸田政権が目指す『賃金と物価の好循環』が前進していることにエコノミスト集団でもある日銀がお墨付きを与えると同義」(経済官庁幹部)と受け止める向きもある。 もっとも、政府がデフレ脱却を宣言することに関しては慎重な意見が多い。厚生労働省の毎月勤労統計によると実質賃金は今年1月まで22カ月連続の前年比マイナスで、昨年来の賃上げが生活実感を伴ったものになっていない。 日本経済が正常な「体温」を取り戻せるかどうか、全体の雇用の7割を占める中小企業や小規模事業者にまで一過性ではない賃上げが広がるかが焦点になる。 矢田稚子首相補佐官(賃金・雇用担当)は13日、ロイターとのインタビューで今年の春闘について「大手については去年を上回る賃上げの回答が出るものと思っている」と述べるとともに、「本当の正念場は中小企業だ」と指摘した。 サービス業では長年の商習慣から労務費を価格に転嫁できない企業も多いとされ、例えば「2024年問題」に直面する物流・運送業界からは「燃料費などコストが上昇する一方、運賃の値上げはなかなか進まない。毎年の最低賃金上昇に対応する程度しか実現できていない」(東京・白金にある社員約80人の松下運輸の坂田生子社長)といった声も聞かれる。 政府もこうした状況を把握しており、引き続き賃上げをしやすい環境を整備していくことに「手を緩めてはいけない」(高官)と気を引き締める。官民で賃上げ機運を高め、4月に向けて中小企業に波及させていく流れを作るため、政府は経済界や労働団体の代表者と意見交換する「政労使会議」を開く。 デフレ脱却宣言について前出の経済官庁幹部は「4月まで物価高対策延長の議論をしている。物価が上がって良かったということを政治的なメッセージとして出すのは国民にプラスとして受け止められない」と指摘。春闘の結果が実際の賃金に反映され、ボーナスが最も多く支払われる6月に住民税・所得税の定額減税を行い、可処分所得の伸びが物価上昇を上回る状態にもっていったうえで「賃金と物価の好循環が実現しつつある」という打ち出しをするのではないかと予想する。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2eba9daee32d936c7bf1298a46d62bdd98159b9d
日銀がETF新規購入の完全停止を検討、正常化開始で-関係者 (24/3/13)
(ブルームバーグ): 日本銀行は2%物価目標の実現が見通せ、政策正常化に踏み出す段階で、2010年以来続けてきた上場投資信託(ETF)の新規買い入れの完全停止を検討する。複数の関係者への取材で分かった。
関係者によると、株式相場が史上最高値圏で推移する中、ETFの買い入れによってリスクプレミアムに働き掛けることで、株価を支える必要性は乏しいと日銀は判断している。
同様に正常化局面で検討するイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の撤廃もしくは見直しに際して日銀は、国債買い入れの継続などによって長期金利の急変動を回避する方針だと関係者は指摘した。株式市場とは対照的な対応と言える。
日銀によるETF買い入れは昨年は3回、計2100億円にとどまり、今年は実施されていない。11日の東証株価指数(TOPIX)は、市場が目安とみていた2%以上の下落となったが、購入は見送られた。日経平均株価が史上最高値を更新し、日銀が日本株の最大の保有主体となっている中で、さらなる買い入れは投資家から疑問視される可能性が大きい。
関係者によると、市場はすでに日銀がETF買い入れに慎重になっていることに慣れている可能性があるとみている。
ETF買い入れについて植田和男総裁は、現在の大規模金融緩和の見直しが可能な状況になった段階で「他の手段も含めて継続することが良いかどうかを検討する」と2月の国会答弁で発言。内田真一副総裁は2月の講演で、不動産投資信託(JーREIT)を含めて「大規模緩和を修正する時には、この買い入れもやめるのが自然だ」と発言していた。
ETFとJーREITの買い入れは、白川方明元総裁が2010年に導入した「包括的な金融緩和政策」の一環として始まった。主要中央銀行でETFを購入しているのは日銀のみだ。黒田東彦前総裁による異次元緩和の下で増額が繰り返され、現在の買い入れ方針はETFが年間約12兆円、J-REITは約1800億円をそれぞれ上限に「必要に応じて買い入れを行う」としている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/141e39629f11ee15b7a4a4e6c990e85a850c6ed8
【市場反応】米2月PPI/小売売上高/新規失業保険申請件数、利下げ観測後退でドル買い (24/3/14)
米国労働統計局が発表した2月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.6%となった。伸びは1月+0.3%から予想外に拡大し、昨年8月来で最大。前年比では+1.6%と、伸びは1月から予想以上に拡大し、昨年9月来で最大となった。1月分は+1.0%と、+0.9%から上方修正された。
PPIコア指数は前月比+0.3%と、1月+0.5%から伸び鈍化も予想を上回った。前年比では+2.0%と、伸び鈍化予想に反し、1月と同水準を維持。
米商務省が同時刻に発表した2月小売売上高は前月比+0.6%と、1月-1.1%からプラス改善し昨年9月来で最大の伸びとなった。予想は下回った。国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、建材、給油、食品を除いたコントロールグループは横ばいと、1月の-0.3%から改善も予想は下回った。
米先週分新規失業保険申請件数は前週比1000件減の20.9万件と、増加予想に反し前回21万件から減少しほぼ1か月ぶりの低水準。失業保険継続受給者数は181.1万人と、前回179.4万人から増加も予想を下回った。
米労働市場が依然底堅く、PPIも予想を上回りインフレの根強さが証明されたため利下げ観測が後退。米10年債利回りは4.19%から4.22%へ上昇した。ドル買いも優勢となり、ドル・円は147円57銭へ反落後、再び148円04銭まで上昇。ユーロ・ドルは1.0945ドルから1.0924ドルまで下落した。ポンド・ドルは1.2784ドルまで下落。
【経済指標】
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/b9801517508ef28fad0e6ea1b06f28a979f0fa65
・米・先週分新規失業保険申請件数:20.9 万件(予想:21.8万件、前回:21万件←21.7万件)
・米・失業保険継続受給者数:181.1万人(予想:190.5万人、前回:179.4万人←190.6万人)
・米・2月生産者物価指数(PPI):前月比+0.6%(予想:+0.3%、1月:+0.3%)
・米・2月生産者物価コア指数:前月比+0.3%(予想:+0.2%、1月:+0.5%)
・米・2月生産者物価指数:前年比+1.6%(予想:+1.2%、1月:+1.0%←+0.9%)
・米・2月生産者物価コア指数:前年比+2.0%(予想:+1.9%、1月:+2.0%)
・米・2月小売売上高:前月比+0.6%(予想:+0.8%、1月:-1.1%←-0.8%)
・米・2月小売売上高(自動車除く):前月比+0.3%(予想:+0.5%、1月:-0.8%←-0.6%)
日銀、来週マイナス金利解除へ 賃上げ拡大で 日経新聞 (24/3/16)
日銀は来週18-19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する見通しになった。日経新聞が報じた。2024年の賃上げ率が5.28%と33年ぶりの高水準となり、2%の物価目標を持続的、安定的に達成できる環境が整ったことが背景。日銀が政策金利を引き上げるのは2007年2月以来、17年ぶりとなる。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/d2cbd661d3f1a98887020cbcebea3352f0c6508f
大手行が預金金利引き上げへ、三菱UFJ銀は21日から 日銀利上げで (24/3/19)
[東京 19日 ロイター] – 日銀の政策変更を受け、大手銀行が預金金利を引き上げる。三菱UFJ銀行は19日、日銀の利上げを受けて普通預金金利を0.001%から0.02%に引き上げると発表した。日銀が前回利上げをした2007年2月以来。3月21日から引き上げる。定期預金の利率も見直し、1年物は0.002%から0.025%とする。優良企業に融資する際の最優遇金利、短期プライムレートは1.475%を維持する。同レートは、住宅ローンの変動金利の基準でもある。
三井住友銀行も普通預金金利を年0.02%(従来は年0.001%)に引き上げ、4月1日から適用する。定期預金金利も引き上げを予定しているという。
みずほフィナンシャルグループも、普通・定期預金の金利を引き上げる。木原正裕社長は日銀の利上げ決定後、ビジネスの原資として「預金を持つことの重要性が一層増す」とのコメントを出した。
グループに4行を抱えるりそなホールディングスも、預金金利を引き上げる検討に入ったことを明らかにした。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/0eb7393601f1554f3746536ee6617ce70c57d7aa
政府・日銀、金融市場巡り会合=円安進行受け (24/3/27)
財務省と金融庁、日銀は27日、午後6時20分から国際金融資本市場に関する情報交換会合(3者会合)を財務省内で行うと発表した。外国為替市場で一時1ドル=151円97銭と1990年7月以来約33年8カ月ぶりの円安水準を付けたことを踏まえ、市場動向や対応などについて意見を交わすとみられる。
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/d2ac79326f228de26689f00c1aacdacc667305e3
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