米雇用統計とは?
米雇用統計とは、アメリカの雇用状況を調査した統計です。
- 全米の約16万の企業や政府機関のおよそ40万件のサンプルを対象に調査
- 毎月第一金曜日に発表。NY時間の8時半、日本時間の21時半頃発表。
- 「雇用者数」「失業率」「平均時給」など10項目
注目される理由は、雇用の状況は個人所得や個人消費の動向に影響します。
そしてそれは今後の経済対策に影響が出る可能性があるからです。
注目される項目
以下に注目してみてみます。
項目 | 内容 |
---|---|
非農業部門雇用者数 | 農業部門を除く産業で働く雇用者数です。 堅調に増加していれば、賃金増加や個人消費が増加すると考えられています。 |
失業率 | 米国内の失業者数の割合です。 この値が増加すると、個人消費が低下すると考えられます。 |
株価やドル円への影響
基本的な考え方は以下となります。
雇用統計改善:雇用者数増加や失業率低下
- 賃金上昇
- 政策金利の上昇
- インフレ率の増加
- ドル買い(円安)
※高インフレ時には金利上昇・インフレ率の増加が株価を抑える要因にもなるため見極めが必要です。
雇用統計悪化:雇用者数低下や失業率増加
- 賃金低下
- 政策金利の引き下げ
- インフレ率の低下
- ドル売り(円高)
※高インフレ時には金利減少・インフレ率の低下が株価を支えることもあるため見極めが必要です。
市場予想との乖離にも注目する必要があります。
絶対値として雇用状況が良かったとしても、市場予想よりも低い場合は思うように株価やドル円が動かない場合があります。(校長から一転、悪化とみなされる可能性も)
また、その逆で予想以上に良かった場合は大きく動く可能性があります。
実際の反応
日時 | 株式指数の変化 | 内容 |
---|---|---|
22年7月8日 | 米国3指数 小幅上昇 | 雇用者数が予想を上回り37.2万人増(予想27.6万人) 米国債金利は上昇したものの株価はほぼ横ばい。 雇用者数の増加=インフレリスクの懸念、金利上昇です。 しかし株価は落ち着いて推移しました。 |
22年8月5日 | 米国3指数 下落 | 雇用者数が予想を上回り52万人増(予想25万人) NYダウは一時200ドルを割る下げ幅を見せた。 インフレ懸念から金利上昇による株安となりました。 |
22年9月3日 | 米国3指数 下落 | 雇用者数は31万人増 労働需給は和らぐものの政策金利の姿勢変更はないと観測でダウは-337.98と大幅安に |
22年10月7日 | 米国3指数 下落 | 雇用者数は前月比26万人増(予想は25万人増) 失業率は3.5%(前月比0.2%低下) 労働市場が堅調なことで利上げ観測が高まり、ダウ平均株価は-630.15ドルの大幅安となった。 |
22年11月4日 | 米国3指数 上昇 | 雇用者数は26万1000人増。9月の増加幅は前回発表の26万人から31万5千人に上方修正。失業率は3.7%に上昇した。 雇用者数は増加したものの失業率や賃金上昇の鈍化を受けて米国3指数は上昇で終えた。 |
まとめ
注目すべき項目
- 非農業部門雇用者数、失業率
状況の改善と株価やドル円に与える影響
基本的な影響は以下の通り
状況の変化 | 項目 | 影響 |
---|---|---|
改善 | 雇用者数 増加 失業率 減少 | ドル高 インフレ率の増加 政策金利の上昇 景気向上による株価上昇 |
悪化 | 雇用者数 減少 失業率 増加 | 円安 インフレ率の低下 政策金利の低下 景気低迷による株価下落 |
※高インフレ時においての「状況の改善=雇用者数の増加」は
更なるインフレ加速の要因になるため株価の下落になる可能性があります。
注意点
- 高インフレ時にの状況改善は更なるインフレリスクから、
金利上昇・株価下落を招く可能性があります。 - 市場予想との乖離にも注目。
数字自体が良くても市場が織り込み済みの場合は市場に変化がなかったり、
逆に基本とは逆の動きをする可能性があるので注意です。
kitakuma
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